宇宙ゴミ
ちょっと信じられないようなニュースですが、現実に起きていることです。
国際宇宙ステーション(ISS)で宇宙飛行士が作業中に “ツールバッグ” を
手放してしまい、そのバッグがそのまま 時速約2万8000 km(=秒速およそ7.8 km)
という猛烈なスピードで地球を周回している という話。
🧳 何が起きたのか?
11月1日、ISSの宇宙飛行士 Jasmin Moghbeli 氏と Loral O’Hara 氏が船外活動
(EVA=スペースウォーク)を行っていた際に、工具や器具を入れていた
「クルーロックバッグ(crew-lock bag)」の一つが手を離れ、無重力空間に“ポン”と
放たれてしまいました。
このバッグ、実は ISSとほぼ同じ軌道(高度約415〜416kmあたり)で地球をグルっと
回っており、現在は 「物体カタログ番号 58229/1998-067WC」として
人工天体扱いになっています。
🚀 なぜ「時速2万8000km」になるのか?
普通に「バッグ落とした」だけでもスゴいのですが、宇宙空間だと話が桁違い。
ISSの軌道速度は おおよそ 時速2万8000 km(約17,500マイル/時) というもの。
つまり、このバッグも同じ軌道に乗ってしまったため、地上で想像する
「落とした」=「停止してる物が地球に向かって落ちる」という感覚ではなくて、
「地球を猛スピードでぐるぐる回る“宇宙の旅”に出てしまった」状態なのです。
👀 地上からも、ひょっとして見える?
意外なことに、このバッグ、条件が揃えば 双眼鏡や望遠鏡で見える可能性ありなんです。
・明るさは「6等星」あたり=肉眼ではギリギリ見えないレベル。
・ISSが見える夜空のパスをチェックして、その少し “前方”を探すとバッグがいる
可能性あり。
「宇宙ステーション通過中、“あと1〜5分先を白く小さくチラッ”と動いてたら…
もしかしてそれが」なんて夢想も出来るわけです。
⚠️ ただし“ゴミ”問題でもある
ふざけてばかりもいられません。宇宙空間には現在、数万個を超える
“スペースデブリ(宇宙ゴミ)” があり、こうしたバッグ1つでも軌道上では
衝突リスクになり得るという指摘があります。
ただ、今回の件ではISS側も「現時点ではバッグがステーションに衝突する可能性は低い」
としています。
それでも、「ちょっとしたミス」で宇宙に“ひとり旅するバッグ”が生まれてしまう、
というのは人類が日常的に宇宙を使う時代ならではの“軽い事故”とも言えるかもしれません。
✏️ まとめ
宇宙飛行士がバッグを落とした → それがそのまま 地球を猛スピードで周回する人工天体に変身。
まさに「ふとした瞬間が、宇宙規模の物語になる」ワンシーンです。
夜空を見上げるとき、「あそこを何かが飛んでるかも?」と少し想像してみるだけで、
地球と宇宙の“近さ”を感じられるかもしれません。