テスラの「空飛ぶ車」を見て、バック・トゥ・ザ・フューチャーが懐かしくなった
テスラの「空飛ぶ車」の動画を見ました。
車が宙に浮き、空中で向きを変える。その映像を見て最初に浮かんだのは、速さや性能の数字より、昔大好きだった『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でした。
最新技術のニュースを見ているのに、気持ちは一気に昔へ。あの映画の未来にワクワクしていた感覚が戻ってきて、ものすごく懐かしくなりました。
そして、もう一つ気になったことがあります。映画の未来の道具は、今では思った以上に現実になっているんですよね。
空飛ぶ車を見たら、やっぱりあの映画を思い出す
今回見たのは、TBS NEWS DIGが2026年10月16日に公開した、テスラの新型ロードスターを紹介する動画。壁面のようなコースを上がり、宙で姿勢を変えて着地する実演が報じられていました。
ただし、この実演を見て「もう映画のように、誰でも車で街の上空を移動できる」と受け取るのは早そうです。短時間の空中動作を見せることと、日常の交通手段として自由に飛べることは、別に考える必要があります。
その違いは分かっていても、車が地面から離れる光景には心が動きます。空へ向かうデロリアンを思い出すには、十分すぎるきっかけでした。
新しい車の映像なのに、思い出したのは古い映画。この組み合わせが、なんだかいいんです。
映画が描いた2015年を、もう通り過ぎている
未来の暮らしが描かれるのは、1989年公開の『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』。マーティたちが訪れるのは2015年です。
今は2026年。作品の中の未来だった年を、私たちはすでに通り過ぎています。
「いつか、こんな時代が来るのかな」と思っていた世界を、今度は現在の暮らしと比べられる。長く好きでいる映画には、こういう楽しみ方もあるんですね。

8つを比べると、5つは製品やサービスになっている
映画を思い出すと、空飛ぶ車やホバーボードの印象が強く残っています。でも、通話や家の中の道具にも目を向けると、現実との距離がぐっと近くなります。
今回は、映画に登場するアイデアを8つ選んで比較してみました。そのうち次の5つには、同じような役割を果たす製品やサービスの例があります。
| 映画に出てきたアイデア | 現実ではどうなった? |
|---|---|
| 相手の顔を見ながら通話 | FaceTimeなどのビデオ通話で実用化。映画のような大きな画面だけでなく、スマホでもできるようになりました。 |
| 壁に掛ける薄型の大画面 | 壁掛け対応の液晶・有機ELテレビが製品になっています。今では「未来の装置」より、家電として見るものに。 |
| 目元に着けて映像を見る道具 | XREALのような映像表示グラスや、ヘッドセット型の製品があります。形や操作は違っても、自分の目の前に画面を出す使い方ができます。 |
| 指紋で本人を確かめる仕組み | 指紋認証で解錠するスマートロックなどが製品化されています。鍵の代わりに身体の特徴を使う発想は、現実の暮らしにも入っています。 |
| 自動で締まる靴ひも | Nikeは2016年に、自動でひもを締める機能を備えたNike Magを限定89足で展開。広く普及した日用品とはいえませんが、実物になった例です。 |
この選び方なら8つのうち5つで、半分以上。ただし、映画に出てくる技術をすべて数えた統計ではありません。形の違いや限定製品も含めた、今回取り上げた8項目の比較です。
特に面白いのは、実現したことより、実現したものをあまり特別だと感じなくなっていること。顔を見ながら話せるだけで未来っぽかったはずなのに、今では画質や使いやすさの方が気になります。
残る3つには、まだ映画との距離がある
一方で、次の3つを「映画どおりに実現した」と数えるのは、まだ違う気がします。
- 街の上空を自由に走る車:テスラの実演のように驚く映像は出てきましたが、誰もが普段の移動で使う映画の交通風景とは違います。
- 普通の道で浮いて進むホバーボード:LEXUSは2015年に磁気浮上の試作機を公開しています。ただし、液体窒素による冷却や専用の磁気走行路を使うもので、一般の路面で使える市販品ではありません。
- 家庭のごみを入れて車のエネルギーにする装置:作中の「Mr. Fusion」のような装置が、家庭用の車載機器として実用化・普及したわけではありません。廃棄物を利用する発電や燃料づくりとは、仕組みも規模も分けて考えたいところです。
「試作機が動いた」「製品になった」「普通の生活に広がった」。未来の技術には、この三つの間にも大きな距離があるんですね。
それでも、遠かったものに少しずつ近づく様子を見られるのは、昔の映画を覚えているからこその楽しさだと思います。
未来は、空より先に暮らしの中へ来ていたのかもしれない
映画の未来を思い出すと、どうしても空を飛ぶ派手な道具に目が向きます。
でも現実では、顔を見ながら話すこと、薄い画面に映像を出すこと、指先で本人を確かめること。そういう生活の中の変化の方が、先に身近になっていました。
公式サイトに掲載された制作ノートを読むと、作り手たちも未来を正確に予言することより、楽観的で楽しい未来を描こうとしていたことが分かります。だから、当たった・外れたの採点だけで終わらせるのは、少しもったいないですね。
今の道具を見ながら、「これ、あの映画に近いな」と気づく。それだけで、いつもの暮らしが少し違って見えます。
今回のテスラの動画は、新しい車を知るニュースであり、昔好きだった映画を思い出す入口でもありました。
空飛ぶ車を見て、気持ちだけは昔に戻った。でも、目の前の暮らしには、あの頃想像した未来がいくつもある。
久しぶりに、あの映画をもう一度見たくなりました。今度は車だけでなく、部屋の中の道具にも目が向きそうです。
参考資料:TBS NEWS DIGの2026年10月16日公開動画、Back to the Future公式サイトの作品紹介・制作ノート、Apple・ソニー・XREAL・Aqara・Nike・LEXUSの公式情報。比較は2026年10月18日時点。図は当サイト作成。